と疑問を持っていませんか?
この記事では、ランドスケープ専攻の学生におすすめの資格を3つ紹介します。 私自身、大学院在学中に以下の資格を取得しました。
在学中取得した資格一覧
- 技術士一次試験合格(技術士補)
- 登録ランドスケープアーキテクト(通称RLA)一次試験合格(RLA補)
- ビオトープ管理士2級
- 樹木医補
- 自然再生士補
また、在学中にいくつかのランドスケープ関係の会社にて
インターンシップさせて頂いたときに働いている人達から聞いた話や自分自身が就職してから有利だと感じたことに基づいておすすめの資格を厳選しました。
私の場合、インターン先はデザイン事務所で就職先は建設コンサルの都市計画部門でしたので、ランドスケープの中でも特に計画、デザインをやっていきたいという学生に向けた内容となっています。
この記事を読めば、他のランドスケープ学生に差を付けられること間違いなしです。
結論:資格3選は 技術士補・登録ランドスケープアーキテクト補・ビオトープ管理士
優先順位でいったら、
- 技術士補(技術士一次試験合格
- RLA補(RLA一次試験合格)
- ビオトープ管理士2級
となります。 難易度でいったら、技術士>ビオトープ>RLAといった感じでしょうか。 それぞれの資格についてみていきます。
技術士補(技術士一次試験合格)
言わずもがな、国家資格です。
ランドスケープアーキテクトとして日本で仕事するならば技術士は最終的に取得しといた方が絶対良いマストな資格となります。
技術士資格保有者は月々の給料がプラス上乗せされることもあるようです。
技術士の試験は一次試験と二次試験に分かれており、一次試験は学生でも受験でき、合格して登録申請をすると技術士補の資格を取得できます。
または、大学もしくは学科がJABEE認定されてると卒業と同時に技術士一次試験合格相当の能力があると認められ、登録申請すると技術士補を取得できることもあります。
実務経験を数年間経た後、二次試験を合格して登録申請を済ませると晴れて技術士の資格が取得できます。
一次試験、二次試験はいずれも、受験する部門が分かれています。一次試験と二次試験では部門が異なっていても受験可能みたいです。
たとえば、私の場合、一次試験では環境部門で合格したのですが、二次試験で建設部門を受験してもokということです。
部門でいうと、多くは建設部門の地方及び都市計画を持ってランドスケープアーキテクトとして仕事をしている人が多いようです。
登録ランドスケープアーキテクト補(RLA一次試験合格)
日本で唯一のランドスケープアーキテクトの資格です。
正式には「登録ランドスケープアーキテクト」といい、Registered Landscape Architectの略でRLAと呼ばれています。
ランドスケープコンサルタンツ協会が実施する試験で、国家資格ではありませんが、2016年に国土交通省に「登録技術者資格」に認定され、自治体が発注する都市公園などの計画・調査・設計業務においては管理技術者、照査技術者の立場では資格保有者が有利に働くようになっています(詳しくはこちら)。
RLAも技術士同様に一次試験、二次試験があり、一次試験を合格後は登録申請を経て「RLA補」を取得、二次試験を合格後に登録申請を経て「RLA」を取得することができます。
ネットで調べても試験内容や難易度、勉強方法などの情報量が本当に乏しく、一般的には認知度が低いですが(汗)、
ランドスケープ事務所のHPをみるとだいたいスタッフの資格に技術士と並んで明記されていることが多く、
ランドスケープ業界、特に計画設計の方に進みたいと考えている方は取得しておいた方が良い資格といえるでしょう。
また、インターンシップを行った際もそこで働いていた若手の方々は資格取得のために勉強していると話していましたので、入社後には必要になってくるのだろうと思います。
また、ランドスケープに関して厳選された内容が出題されるため、ランドスケープを学び始めた人たちが基礎知識を得るためにも大変有効であることもおすすめの理由の一つです!
RLA試験の出題内容、合格ライン、勉強法と勉強時間をまとめた記事があるので参考にどうぞ。
ほんとに情報が乏しく試験対策がしづらいので記事を書きました。
「RLA試験 勉強法」とかで検索してもおそらく私の記事くらいしか役立つ情報が得られないと思います…(^^;
試験についてこんなに詳しく、かつ役立つように書かれた記事は他にはないと自負しております笑
こちらは公式テキストです。
これには出題される内容のほとんどが掲載されています。
この公式テキストをフル活用して問題の復習を徹底してください。
また、公式テキストに記載されている内容はランドスケープを学び始めた人たちが基礎知識を得るためにも大変有効ですので、
試験を受けない学生でもランドスケープを勉強してるなら手元には置いておくべき本です。
ビオトープ管理士
生態系協会の公式サイトではビオトープ管理士の定義について以下のように明記されています。
ビオトープ管理士は、自然と伝統が共存した美しく強靭な地域の創造を目指す技術者、端的に言えば自然の保全・再生を任すことができる技術者です。 日本生態系協会HPより
正直、ビオトープ管理士という職業はないように思いますが、
ランドスケープ分野でいえば生態学的アプローチのランドスケープデザイン(エコロジカルランドスケープデザイン)をするときにとても役立つ資格だと思います。
ランドスケープは自然を扱う仕事ですので、自然環境の保全や再生の概念、手法、生態学の基本的知識は知っておく必要があると個人的には思っており、
大学の講義でなくてもビオトープ管理士試験を通して理解が深められるという点ででおすすめの資格です。
ランドスケープデザイン事務所はもちろん、私が勤めていた建設コンサル業界でもビオトープ管理士は認知されていましたので、一定の評価(就活で有利)はされると思います。
学生は受験資格を問わない2級を受験することになりますが、計画部門と施工部門に分かれています。 私は計画部門を持っていますが、インターン、就活を通して部門自体は重視されていない印象でした。
ですので、問題をみてみて計画部門と施工部門のどっちが解きやすいかで決めると良いでしょう。
ビオトープ管理士試験の公式テキストがあります。 RLA補試験とも関連法と生態学、施工に関する問題が被っており、解説もわかりやすいです。
選んだ理由とメリット
次に厳選した資格の選定理由とメリットについて紹介します。
就職活動でライバルに差を付けられる
資格保有者はやはり就職活動で他の志願者に差をつけることができます。
これは会社側からみるとわかりやすいです。
一つは会社にどれだけ資格保有者がいるのかというのは会社のステータスになります。 やはり資格保有者が多いと客観的に評価されるのでそれだけ評価が高まります。
また、資格保有をしている人しか受注できない案件が多くあります。
つまり、いくら技術力があっても資格を持っていない時点で案件によっては競争にすら参加できないということです。
こういったことから、会社側からするとないよりは資格保有者の方を評価するので就職活動では有利になります。
特に人事担当からすると、「入社してから資格取得のためにお金かけなくて良い人材なのか、これは採用しても良いかもな」と感じるのでやはり有資格者は有利ですね。
就職後も同期に差を付けられる
新卒時に資格を取得していなくても、遅かれ早かれ資格を取得することになると思います。
なぜならば、先ほども述べたとおり、技術士やRLAといった資格がないと携われない案件が多くあるからです。
将来的にはプロジェクトリーダーや現場監理等の立場になっていくことを考えると、資格取得は避けて通れません。
言い換えると、資格がないと管理職に昇進できないということも充分ありえます。
そうすると働きながら資格の勉強もしなければならないという状況に陥ります。 休日返上で勉強するので、正直モチベは上がらないです。そういう同期を多くみてきました(^^;
一方で、すでに資格を取得できていると、その分の時間ができますので、有効活用して、博士号取得へ向けた社会人大学院進学や論文作成、昇進へ向けた上位の資格取得の勉強などと同期やライバルにアドバンテージを取ることができます。
また、転職する際も先ほど述べた理由で資格があるとやはり有利です。
+α あると有利な資格
3つにおすすめの資格を絞りましたが、この他にもあると有利な資格がいくつかあります。
造園施工管理技士
ランドスケープ業界でデザインというよりも造園会社などの造園工事や施工の方に進みたいという方は取得しておくと有利になる資格だと思います。
技術士がそうであるように、造園工事関係ではこの資格所有者が仕事を受注する際に有利になります。
造園技能士2級、3級
この資格は高校の造園学科や農業高校でよく取得される資格となっていて、知識を問う学科試験と実査に竹垣と石を据える実務試験に分かれています。
実務試験は実際に制限時間内で決められた寸法に竹垣と石をしつらえる必要があるので実地訓練が必要で独学では難しいでしょう。 大学院で受験する機会がありましたが、学科試験の内容はRLA一次試験のその1の出題内容とけっこう被ってました。
あとは試験会場に本物の造園樹木が置いてあって、見た目で同定するという試験は面白かった印象があります。
TOEIC、TOEFL(IELTS)
こちらは英語試験です。日本のみならず今後グローバルに活躍することを目指す方は在学中にできるだけ英語力を伸ばしておくことを「強く」おすすめします。
英語力を伸ばすのは本当に地道で時間がかかるので、少しでも興味あるならば早めにとりかかってください。
TOEICはどの業界でも有利な資格となりますし、JICA等を通して発展途上国で働く場合はTOEICが募集要件になっています。730点以上持っていれば大丈夫だと思います。
TOEICはTOEICに特化して勉強を続けていれば誰でも730点は在学中に到達可能ですので頑張ってください。
また、ランドスケープの道で海外で働くステップアップとしては海外の大学院に進学してマスター(修士)もしくはドクター(博士)を取得した後に海外で働くことが一つのセオリーで確立しつつあります。
海外の大学院進学では、米国ではTOEFL、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ圏の大学院ではIELTSスコア提出が出願の際に必要となっています。
各大学院ごとに最低基準が異なりますが、TOEFLはibtテストで80点以上、IELTSでは6.5以上のスコアを最低基準と課している大学院が多いです。ハーバードやペンシルバニアなどのトップ校はTOEFL100点以上、IELTS7.0以上です。最低基準を上回っていないと足切りされて提出した書類すらみてもらえないこともあります。
多くの人は進学したいと思っても英語力が足りなくて断念してしまっているので、英語で可能性をつぶさないようにぜひ英語はこつこつと地道に点数を上げていってください。
とはいえ、いきなりTOEFL、IELTSの勉強に取り組むと絶対挫折します…汗
本当に難しいので…取り組んでも全然進まないと思います。
TOEIC600点以下の方はまずは英語の基礎固めをすることをおすすめします!
基礎固めとしておすすめなのが英会話教材。TOEICはリーディングとリスニングだけですが、私が紹介している英会話教材ではリーディング、リスニング、ライティング、スピーキング4技能とも伸ばしてTOEFL、IELTS勉強への下地を作ることができます!
http://ceramal-ff.com/letstry-englishconversation/
その他にも取得できる有益な資格はある!
他にも、大学によっては認定された単位を取得することで自然再生士補や樹木医補を取得することもできます。
資格があると就職後も活躍の幅が広がるため、余裕がある人は取っておいた方が良いと思います。
個人的には、ランドスケープは生き物、自然を扱う仕事ですので、自然や樹木のことを知ろうと思い、認定単位を取得して自然再生士補や樹木医補は取得しました。 認定単位の講義、実習を通してより深く理解できたのではないかと感じています。
また自然再生士は就職後の2年目に試験を受けて合格しています。 「補」と付くものは資格としてはそれだけではあまり役立たないので今後も「補」を脱却していきたいと思っています。
まとめ
これまでのことをまとめると以下のとおりになります。
- おすすめの資格3選は優先順に技術士補、RLA補、ビオトープ管理士
- 資格保有のメリットは、就活も就職後もライバルに差をつけられること
- 状況によって他の資格も取得することを強く薦める(特に英語)
いかがだったでしょうか。
資格勉強は大変ですが、就活、就職後も有利になりますし、資格勉強を通して専門知識を得られるのでぜひ取得目指して頑張ってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!